ゼロCO2ペーパー

天川村の森を守り、未来につなげる挑戦者の奮闘

紀伊半島のほぼ真ん中に位置する奈良県吉野郡天川村。森林が村土の97%を占めるこの村で、熱い情熱を胸に、未来の林業を担う挑戦者たちがいます。彼らの挑戦の1つに、村の貴重な資源である森林を活かしてCO2を吸収することで「Jクレジット」を創出することで、持続可能な林業を目指しています。

山と共に生きる:地域おこし協力隊 成尾さん

「山が好きで、山で過ごす仕事をしたい」。そう語る成尾さんは、2年前に地域おこし協力隊として天川村に移住してきました。村有林で森林管理の指導員ともう一人の協力隊と共に、森と向き合っています。日々、CO2の吸収源としてJクレジット計画に認定された森林を管理するために、間伐や林道作りを通して、木々がのびのびと成長できる環境を整えています。

「山の中にいると、本当に気持ちがいいんです」。成尾さんは充実した表情で語ります。時には、木の曲がり具合を見極めながら慎重に伐採するなど、体力だけでなく、経験と技術も必要とされる仕事です。それでも、「うまく木を倒せた時は最高に気持ちがいい」と笑顔を見せます。

成尾さんの活動は、ゼロCO2ペーパーのオフセットにも貢献しています。「自分の仕事が社会の役に立っていると感じられることもやりがいになります」と語る成尾さん。ゼロCO2ペーパーを通して、天川村の森林管理の取り組みが全国に発信されることも、大きな喜びとなっています。

地域おこし協力隊としての任期終了後も、成尾さんは天川村に残り、林業に従事したいという強い意志を持っています。彼の挑戦は、天川村の林業の未来も切り開いて行くでしょう。

林業の新たな価値を作る:森林総合監理士 杉本さん

杉本さんは、森林総合監理士として天川村の林業を支えています。現在、村の林業で生計を立てている従事者はわずか8人。Jクレジットの取り組みも、地域おこし協力隊の力なしには実現できません。「もっと協力隊に来てくれる人を増やしたい。そして、林業に魅力を感じて、村に移住してくれる人が増えてくれれば」と、杉本さんは未来への希望を語ります。ゼロCO2ペーパーの取り組みも、プロジェクトを広く知ってもらう上で、助けになっていると感じています。

かつては以下の写真のように間伐された木は放置されていました。

しかし、今では林道整備ができているのでキャリアダンプでの木材搬出が可能となり、資源の有効活用に繋がっているとのことです。Jクレジット創出という新たな価値を生み出すことで、天川村の林業は持続可能な未来へと一歩ずつ前進しています。

Jクレジット創出までの道のりは決して平坦ではありませんでした。CO2吸収量の根拠となる資料作成には多くの時間を費やし、関係者との調整にも苦労したと言います。しかし、認定を受けた時の安堵感と達成感は、「本当にホッとしました」と語ります。

「これからも毎年クレジットを創出していくので、どんどん使ってほしい」。「林業に魅力を感じて、村に移住してくれる人が増えてほしい」。杉本さんの言葉に、天川村の林業への深い愛情と、未来への強い決意を感じました。

このように、天川村の林業はJクレジットの取り組みを通じて、地球温暖化防止という大きな課題に挑戦しながら、地域の活性化も目指しています。しかし、林業従事者の高齢化や担い手不足など、多くの課題も抱えています。

ゼロCO2ペーパーの取り組みでは、森で生まれたJクレジットを活かし、発信して行くことでプロジェクトを応援するだけでなく、少しでも林業に興味を持つ方が増えることをを目指します。

小さなことかもしれませんが、 この取り組みを積み重ねることで、 日本の林業を元気にすることを目指します。

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